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長谷川雄一
代表取締役 · 2026-03-13
SFAや営業支援システムが世の中に出てきてから、もう相当な年数が経つ。CRMと合わせれば、Salesforceだけでも20年以上の歴史がある。それだけの時間が経っても、現場から「入力が大変」「実際に使われていない」「データが偏っている」という声が消えない。
これは、ツールの機能の問題というより、設計の思想の問題だと思っている。「営業の活動を記録するために、営業が入力する」という構造自体に、最初から無理があった。
商談が終わったあとに、議事録を書き、フェーズを更新し、次のアクションを登録する——これが毎回発生する。営業にとって、それは売上をつくる行動の外側にある作業だ。当然、後回しにされる。記録が遅れ、データが薄くなり、経営から「SFAを使え」と言われる。使うから入力が増える。という悪循環。
この問題を解決しようとして、「スマホアプリを作る」「入力フォームを簡略化する」「音声入力を付ける」という方向で改善が重ねられてきた。ただ、本質的には同じ構造のままだった。入力の手間を減らすことと、入力しなくてよくなることは、まったく別の話だ。
ここ1〜2年で、この状況が変わり始めている。AIエージェントが「代わりに入力する」ではなく「会話の中から構造を抽出する」ことができるようになってきたからだ。
商談のメモや通話録音から、フェーズ・課題・次のアクション・懸念点を自動で整理する。SlackやメールのやりとりからCRMのデータを更新する。営業が意識しなくても、活動の痕跡が記録に変わっていく——この方向に、技術がようやく届きつつある。
さらに言うと、AnthropicのMCP(Model Context Protocol)の普及によって、AIがSFAのデータに直接アクセスし、自然言語で操作できるようになる流れが加速している。「今週クロージング予定の案件を出して」「この商談の懸念点をまとめて」「ネクストアクションを更新しておいて」が、チャットやSlack上で完結する日が近い。
ここで楽観的になりすぎるのは危ない。AIを乗せれば自動でSFAが使われるようになる、というほど単純ではないからだ。
いくらAIが情報を集めてくれても、集まったデータが意思決定に使われなければ意味がない。「案件の勝ちパターンは何か」「なぜこの営業の成約率が高いのか」「どの顧客セグメントにアプローチすべきか」——こういった判断を支援するところまで、プロダクトとして設計されていて初めて価値になる。
データが集まっているだけの状態と、そのデータが示唆を出してくれる状態は、まったく違う。前者は「管理のためのツール」、後者は「意思決定のパートナー」だ。目指しているのは後者だし、そこまで作り切らないと本当の価値は出ない。
DRIVE SFAとして目指しているのは、「現場の負荷を増やさずに、営業組織の知識と活動が蓄積され、それが判断と成果につながる仕組み」だ。大げさに言えばそうなるが、もっと実務的に言うと——
入力の手間が限りなくゼロに近づく。AIが商談状況を把握して、示唆を出してくれる。マネージャーが現場に詰めなくても、案件の温度感がわかる。このくらいのレベルまでを、中小規模の営業組織がちゃんと使える価格と体験で届ける。それがゴールだと思っている。
大手SFAがカバーできていない「使いやすさ×AI×日本の現場向け」という領域は、まだ本当に空いている。そこでちゃんと機能するものを作れれば、勝負できる場所があると思っている。
SFAのあるべき姿についての答えは、長年議論されてきたわりに、まだ出ていない。AIによって初めて、その答えに近づける条件が揃ってきたという感覚がある。
長谷川雄一
代表取締役 · 2026-03-13
SFAや営業支援システムが世の中に出てきてから、もう相当な年数が経つ。CRMと合わせれば、Salesforceだけでも20年以上の歴史がある。それだけの時間が経っても、現場から「入力が大変」「実際に使われていない」「データが偏っている」という声が消えない。
これは、ツールの機能の問題というより、設計の思想の問題だと思っている。「営業の活動を記録するために、営業が入力する」という構造自体に、最初から無理があった。
商談が終わったあとに、議事録を書き、フェーズを更新し、次のアクションを登録する——これが毎回発生する。営業にとって、それは売上をつくる行動の外側にある作業だ。当然、後回しにされる。記録が遅れ、データが薄くなり、経営から「SFAを使え」と言われる。使うから入力が増える。という悪循環。
この問題を解決しようとして、「スマホアプリを作る」「入力フォームを簡略化する」「音声入力を付ける」という方向で改善が重ねられてきた。ただ、本質的には同じ構造のままだった。入力の手間を減らすことと、入力しなくてよくなることは、まったく別の話だ。
ここ1〜2年で、この状況が変わり始めている。AIエージェントが「代わりに入力する」ではなく「会話の中から構造を抽出する」ことができるようになってきたからだ。
商談のメモや通話録音から、フェーズ・課題・次のアクション・懸念点を自動で整理する。SlackやメールのやりとりからCRMのデータを更新する。営業が意識しなくても、活動の痕跡が記録に変わっていく——この方向に、技術がようやく届きつつある。
さらに言うと、AnthropicのMCP(Model Context Protocol)の普及によって、AIがSFAのデータに直接アクセスし、自然言語で操作できるようになる流れが加速している。「今週クロージング予定の案件を出して」「この商談の懸念点をまとめて」「ネクストアクションを更新しておいて」が、チャットやSlack上で完結する日が近い。
ここで楽観的になりすぎるのは危ない。AIを乗せれば自動でSFAが使われるようになる、というほど単純ではないからだ。
いくらAIが情報を集めてくれても、集まったデータが意思決定に使われなければ意味がない。「案件の勝ちパターンは何か」「なぜこの営業の成約率が高いのか」「どの顧客セグメントにアプローチすべきか」——こういった判断を支援するところまで、プロダクトとして設計されていて初めて価値になる。
データが集まっているだけの状態と、そのデータが示唆を出してくれる状態は、まったく違う。前者は「管理のためのツール」、後者は「意思決定のパートナー」だ。目指しているのは後者だし、そこまで作り切らないと本当の価値は出ない。
DRIVE SFAとして目指しているのは、「現場の負荷を増やさずに、営業組織の知識と活動が蓄積され、それが判断と成果につながる仕組み」だ。大げさに言えばそうなるが、もっと実務的に言うと——
入力の手間が限りなくゼロに近づく。AIが商談状況を把握して、示唆を出してくれる。マネージャーが現場に詰めなくても、案件の温度感がわかる。このくらいのレベルまでを、中小規模の営業組織がちゃんと使える価格と体験で届ける。それがゴールだと思っている。
大手SFAがカバーできていない「使いやすさ×AI×日本の現場向け」という領域は、まだ本当に空いている。そこでちゃんと機能するものを作れれば、勝負できる場所があると思っている。
SFAのあるべき姿についての答えは、長年議論されてきたわりに、まだ出ていない。AIによって初めて、その答えに近づける条件が揃ってきたという感覚がある。